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マイナス1歳からの予防が、歯を守る事につながります
私は、長い人生をなるべくご自分の歯で食事をしていただきたいと願い、「マイナス1歳からの予防」を掲げてきました。虫歯も歯周病も生活習慣病です。小さい頃からの取り組み=「虫歯のない乳歯から虫歯のない永久歯へ」が、将来の口の健康、ひいては全身の健康にも影響を与えると思うからです。健康な歯や口をつくり、さらにそれを守っていくために必要な事を、私が皆さまにお届けしたいと思います。
末長くご自分の歯で美味しく食事するため、幼い頃からできる事
子どもの頃からの取り組みが、将来の口の健康を左右します。乳歯列が完成するまでの間に3ヶ月に1回の定期的な検診と予防処置を継続する歯科医院への通院習慣をつけていただきたいと考えます。小児期には、丈夫な永久歯の歯や口の環境を作る事、しっかりと咀嚼できる機能を獲得する事、その2点が目標となります。その習慣がその後の人生において、ライフステージごとの予防策につながるのです。
思春期においては、部活動や受験勉強による生活の乱れによる虫歯の発生の予防と、歯周病予備軍とならないための歯肉炎の予防が重要です。
その後、一人暮らしが始まると、それまで継続していた定期的な検診のための歯科受診が途絶えがちです。その時期を含め、壮年期の仕事や育児・家事で自分の時間がとりにくくなる時期こそ、常に皆さまの近くで、早期の治療や予防で、口の健康を守る手伝いをさせていただきたいを思います。
具体的には、虫歯の予防も歯周炎の予防も「力と炎症をコントロール」する事です。その中には、噛みしめ習慣の改善や歯並びの治療をして、歯に過度の力がかかる事を防ぎ、炎症が進行してしまわないように管理する事が必要な場合もあります。
いかに自分の歯で美味しく食事ができるか、食べ物の種類に関係なくいつまでも何でも食べる事ができるかが、人生100年時代における健康の指針ではないでしょうか。私たちと一緒に、お口の健康を守っていきましょう。
患者さまの歩んできた日々と思いが、治療のヒントになります
口の中には、その方が歩んできた歴史があります。治療跡などの一つひとつに、今の状態に至った理由があります。そのため、私は患者さまの思いや生活背景を知る事を重視してきました。
今まで受けてきた治療の事や、全身の健康状態、服用しているお薬の事はしっかり教えてもらうようにします。歯に対する思いを聞く事も忘れません。その方の歴史をひもとき、これからの治療に役立てたいと思います。
患者さまが、ご飯を噛んで飲み込める日々を守りたい
私は「摂食・嚥下」、つまり物を飲み込む動作に関する事を深く学んできました。また入れ歯や噛み合わせに関する勉強にも力を入れてきました。学位論文のテーマは「昼間のかみしめ改善に関するトレーニングについて」です。
お年を召して飲み込む力が弱まると「誤嚥性肺炎」のリスクが高まります。肺炎は寿命を縮めかねない病気なので、その実態を知っておく必要を感じました。しっかり飲み込むため、飲み込みの力を維持できるよう、患者さまをサポートしていきたいと考えています。
さらに、あごが安定しない場合も、物を飲み込む事が難しくなります。あごを正しい位置に持ってくるためには、噛み合わせと入れ歯の知識が必要不可欠でした。入れ歯は単に噛んで食べるための道具ではなく、誤嚥を防ぐ事で命と関わっている大事なものなのです。
悪くなるリスクの診断をもとに、悪くなりかけたらすぐ察知して、対策が打てるようになりたい
今後は歯周病の病状管理、入れ歯やつめ物・かぶせ物の状態管理にこれまで以上にもっと力を入れていきたいと思います。患者さまごとのリスクを診断し、悪くなりかけたらそれをすぐに察知して、対策が打てるようになりたいと考えています。
「いい歯科医院に出会えてよかった」と言ってもらいたくて
現代では多くの方が健康に不安を持たれていると感じています。そこで、私は皆さまに「よく食べられて健康に自信がついた」「いい歯科医院に出会えてよかった」と言ってもらう事を目標にしてきました。
入れ歯を入れる事自体が困難な患者さまでも、しっかりと噛めるようにする事を目指します。患者さまの状態がよくなった時などは、心の底からうれしい気持ちが湧き上がってきます。